いぬと積みゲがとまらない

「ゲームは かならず プレイしてください! もっているだけじゃダメですよ!」

Echoesのプレイ所感と合成についての話

SteamでEchoesというローグライクのゲームを買った。
https://store.steampowered.com/app/2576160/Echoes/
とてもテンポの良い不思議のダンジョン
SFCトルネコシレンあたりの不思議のダンジョンが一番好きなんだけど、このゲームもあまり複雑じゃないところが近くて面白い。
ベースは初代トルネコで、後のシリーズの要素がいくつか加わっている印象。
5回目か6回目くらいのプレイでクリアできたので感想を残したい。

以下、ネタバレを含みます。

イカひしめくダンジョン

所感

規模があまり大きくないというか、シンプルな不思議のダンジョンがやりたかった。
シレンでいうとフェイの最終問題よりテーブルマウンテンクリア(正確にはこばみ谷クリア?)までを日課のように遊ぶのが好きだったんだけど、このゲームは似た性質の楽しさがあって繰り返しやりたくなる。
30Fくらいがちょうど良いんだよな。99F目指してだと、やりごたえはあるんだけどちょっと気軽にはできないし時間かかりすぎる。
このゲームは50Fまでだけど、テンポが良い分慣れたらあまり時間かからないかなと思う。
自分の遊び方としては、そこそこのダンジョンを繰り返しプレイしてクリア率を高めるのが好きで、その意味ではちょうど良かった。(50Fよりはもう少し短い方が好みかも)

最初は1度クリアできたらもう良いかな、と思ってたけど、クリア後も何度も挑戦してる。
気軽にできるのが良い。ふとプレイしたくなる魅力がある。
ゲーム内の実績要素として、特定の条件をクリアすると1枚絵が見れるんだけど、最近はそれの達成を目指している。
「買い物をせずに35Fに到達」以外は達成できた。

敵・装備・アイテムの能力などは不思議のダンジョンシリーズで馴染みのあるものが多いので、とっつきやすい。
オリジナルな部分として、 以下のような特徴がある。

  • 階層が切り替わるタイミングでアイテムショップや鍛冶屋が出現する
  • 「やる気」という概念があり、自身のパラメータに影響する
  • 罠がない
  • 随所のドット絵がとても良い

また、敵やアイテムの類は、元の作品と全く同じではないのも多い。その辺はいろいろ使ってみたり、敵にやられる中で覚えていくのが楽しい。

合成があること

元にしている作品の完成度が高い故に、そこに要素を追加するとバランスを取るのが難しいだろうなと思う。
トルネコシレンではなぜあの仕様だったのか?と改めて考えてみたくなることも多かった。
どちらが正解とも言い切れないが、ある要素について本作と元作品とを比較したとき、元の作品の時点で、その要素が全体に及ぼすバランスまで含めてよく考えられてたんだなと気付かされる。

例えば初代トルネコでは合成もなく、アイテム枠の拡張はできず、アイテム自体も強力なものは少ない印象だったが、その分モンスター側も強烈な奴はいなかった。
アイテムも所持できる数こそ少ないが、結構拾えるのでどんどん拾ってどんどん使おう、といった具合。
トルネコ側もモンスター側も抑えめなバランスでゲーム全体が成り立っていた。

本作をプレイした感じで、初代トルネコベースだと仮定して、一番大きい変化は合成の概念だと思うんだけど、合成システムがあることの影響について考えてみたい。
また、本作においてのバランス調整の感想も、合成システムを主軸として考えてみる。

合成という要素が加わると、どのようにバランスを取るだろうか。

  • 合成は強力な装備が作れるので、敵側も相応に強化する必要がある。具体的には、気軽にガチれない相手(厄介な特殊能力を持つ敵)を増やすことに繋がる。
  • また、合成用の素材(武器・盾)を持ち歩く必要がでてくる。
  • そして、合成というシステムがある時点で、それを前提とした難易度に調整されるのが自然だろうから、合成をせずに最後まで突破するのは難しくなる。

本作において、そのあたりがどのように解決されているかを考えてみると、 バランスという面ではもう少し良い調整ができるのかも、と個人的に思う。

持ち物圧迫について

シレンにおいてはアイテムの種類として壺が導入されたことで、持ち物の圧迫や合成にかかるコストという部分でのバランス調整に影響していた。

本作の合成まわりの要素としては、

  • ランダムで遭遇する鍛冶屋イベントで合成ができる
  • 合成は一つずつ行う
  • 必要なコストはお金である

といった具合で、持ち物の圧迫に繋がっていると感じる。
合成素材自体もそうだし、まとまった資金調達の手段はアイテム売却しかないので、ショップで売却するためのアイテムも必要。
アイテムの種類が少ないことと、他に持っておきたい有用なアイテムも限られているため、上手いこと合成さえできれば一気に空きができるし、圧迫問題は気にしなくてよくなる。
しかし、合成素材確保と資金調達の両面で成功しているタイミングで鍛冶屋が引けないと、途端に厳しくなる。
1回は必ず来るようだが、その後はイベントが起きないかもしれないし、いつ来るかも分からない。
合成が上手くいかないと、一生取捨選択に悩まされて進むことになる。
※ちなみに鍛冶屋は、作者HPにて「15F~19Fの間に必ず出現」とある。
→ http://huyupixel.com/echoes/guide_site_echoes.html

合成したいものは山程あるが、資金調達に失敗した例

敵側の能力について

こちらの行動制限だったり、アイテムに干渉してきたり、単純に筋肉がすごいやつなど敵の能力は多岐にわたるが、
敵が持つ能力として、合成装備が失われる能力(あるいはまともに戦えなくなる能力。イカちゃんのことです)を持たせるのは、慎重に調整しないとバランス取るのが難しいだろう。
その点では、危険な敵が多いゲームだと思う。1手のミスが致命的なケースが多い。
具体的にはLv3ネコ(マタタビ野郎)が真っ先に思いつくんだけど、こいつはもう少し手加減してくれても、プレイヤー有利にはなりすぎないように思う。
まあ思いつきで言ってるので、より良い能力設定はなにかと言われると難しいけど、
例えばLv3ネコについては「部屋全体」と「装備中のものもマタタビ化対象」は、どっちかで良いのではと思うんですけど、どうですかね。
(Lv2までの能力で、装備中のものも対象になってるから、そこからの差別化で部屋全体が加わったのかなと思うんだけど……)

合成装備がないとしたら

そもそも合成は楽しいし、合成を縛る理由が特にないんだが、本作では終盤で合成装備を失うケースが多いので、合成装備がない場合について考えてみたい。

合成なしなら、本作ではLv3を相手に直接戦闘に耐えうる装備は、実質的にないのではと思う。修正値が多ければ多少戦えそうだが、それには合成が必要。(一気に増やす手段という意味で)
修正値がない状態だとヘビーシールドでもLv3おばけに108ダメージくらったので、まともに戦うのはほぼ無理。(やる気により上下するが)
39F以降は即降りすべきと考えていて、その方針自体は合成装備の有無によらないと思うけど、ガチれる敵がいなくなるのは大変厳しい。
つまり、基本はガチらず、全ての敵に対してなんらかのアイテムを使って切り抜ける必要が出てくる。
(まあ元作品にしたって、最後の方に出てくる敵は危険なので、基本的にアイテム使って切り抜けることになるが……そのために物資を溜め込んでるわけだし。)

そこで肝心になるアイテムだが、本作では杖の能力が若干弱めに設定されているのが厳しい。
複合的な効果を持った杖は少なく、ほとんどがシンプルな効果。シンプルなのは良いが、効果として控えめに感じる。
大きな部分でいうと、デコイの杖は身代わりの杖(シレン)と同レベルには頼れないところ。
シレンだと身代わりの杖を振ると、敵は混乱した上で囮になった。これ一つで、ピンチを脱することも多い。
本作ではそれに値する強力な杖はないので、確実にその場は凌げるなという杖で、状況に適したものを見繕ってばんばん使っていく必要がある。つまりたくさん欲しい。
また、杖の回数を増やすには杖同士を合成する必要があるので、アイテム枠拡張はできない本作では、万全を期すならこの点でも合成が重要になってくる。

部屋全体に効果を及ぼす「本」もあるが、種類が少なく、頼れるのはスリープくらい。
ただ、合成なし装備だと眠ってる敵を倒すのも一苦労かなとは思う。そんなに効果時間長くないし、逃げに使う方が良いか。

つまり、そのアイテム一つで状況を打開できるようなものがあまりない。個々のアイテムの強さに関しては、あくまで初代トルネコベースなのだ。
合成・強化済み装備を維持していることを前提としているだろう敵と渡り合うには、アイテムのみに頼るのはやっぱり厳しいかな……

そして、合成手段がランダムイベントであることも影響している。
合成手段を確保しておき、自分のタイミングで合成をすることができないため、合成装備のリカバリーはあまり期待できない。

自分の切り抜け方があんまり上手じゃないのも理由かもだけど、上記の観点から、最後の方で合成装備を失うとなかなかにクリアは絶望的と思う。

結論:かわいい

乱雑になってしまったが、結論としてはとにかく、

  • 合成は楽しいし、ゲーム全体に与える影響も大きい
  • それがある前提の世界で、合成なしで切り抜けるのはたいへん!!
  • なんとしてもネコLv3は行動させないようにしようね
  • 主人公ちゃんがとってもかわいい

ということが言いたい。
自分でローグライクのゲームを作った経験もないので、面白さと難易度の両立って難しいだろうなと思いながら、今作をプレイしていた。

総合的にかなり楽しめてるので、現在制作中の「Echoes2」も楽しみ。
(リリースしてすぐ次回作に着手するってすごい。なんてタフなんだ)